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福祉事業のためのデザイン学講座

プリズムデザインラボは、社会をより良くしていく工夫や考え方をデザインと捉え、制作相談や講演活動を通じてNPOや福祉事業所・地域活動を支援しています。

プリズムデザインラボは、社会をより良くしていく工夫や考え方をデザインと考えています。
デザインの制作や企画相談、スタッフのキャリア教育、セミナー活動を通じ、
障がい福祉事業所・NPO・地域のスモールビジネス等の社会的なとりくみを応援しています。
このブログでは講演活動や大学や高校での授業内容を公開していますので、ご活用いただけたら幸いです。
気づきや発見のデザイン塾【こんこんキツネ塾】http://ameblo.jp/kitsunejukuや、
自身の思想をお話するコラム【星の学校】http://story.hoshimeguri.com/もぜひ合わせてご覧ください。

調和の時代の「和」

社会的企業」や「社会起業家
また「ソーシャルビジネス」という言葉は、
2006-2007年ごろから日本でも
関心を集めるようになったように思います。

そのころから今にかけて社会的なビジネスについて
割とカジュアルな本が増えているように思います。

ちょうど10年くらいですね。
僕が福祉事業NPOの方々と
関わることになったのも
ちょうどこのころでした。

自立支援法施行からの様々な
事業や支援者の工夫が、
ようやく芽吹いてきたというふうに思います。

土の中に種があるのは、
種を蒔いた人にしかわかりません。
いまやっと芽がでたな、と実感するんです。

世の中は調和の時代にむかっているんじゃないかと
僕は肌で感じるわけですが、
調和の「和」は、「和の国」の「和」です。

新しいことをやろうとして、
いままでと別の方法論を求めるよりは
私たちの根本的な部分にあるものを
見つめ直すほうが近道であろうと考えています。

商品企画セミナー「商品がしゃべりだしたら」

「エル・チャレンジ」さんで福祉事業所向けに、
2回にわたり、商品企画の講座を行いました。

僕の一番の専門はコンセプトづくりです。

その中でも、ぼくのポリシーは
「すでにもっている魅力に気づくこと」

すでにそこにあるものをじっくり分析すると
それが生まれた背景や理由の中に
なにかしらの「意図」があり
それをはっきりさせることでコンセプトが見える、
ということにこだわりを持っています。

商品について質問すると
「なんとなく思いついただけなんです」とよく聞きますが
そう言っている限り、なんとなく思いついただけの商品であり
「なんとなく思いついた理由」を紐解けば
コンセプトになることが多いのです。

でも、それをどうやればわかりやすく伝えられるのかというのが
僕自身いつも苦戦しておりまして、毎回が実験と改善を繰り返しています。


では、今回、一回目の講座でおこなった
ワークショップを紹介します。

「商品がしゃべりだしたら」

つくっている商品が、あるときしゃべりだした!
いったいどんなことを話すでしょうか?

商品に、自己紹介をさせてみてください。

つくりてであるみなさんは、
商品に質問をしてあげてください。

「名前はなんていうの?」
「その名前はどんな意味なの?」
「いつ、どこでうまれたの?」
「どうやってつくられてるの?」
「どんな人に買ってもらいたい?」
「どんな場所でつかってもらいたい?」」
「どんなことを叶えたいと思う?」


昔、NHK教育「それいけノンタック」という番組がありました


ノンタックという男の子が魔法のメガネをかけると、
身の回りのさまざまな「モノ」と話せるという番組です。

作り手は、商品の代弁者であるとも言えます。
自分のことをうまく説明できていない作り手には
「もうー、ちがうよ、何言ってんだよ」と思っているしれません。

作り手が客観的になるために、
お客さま(消費者)の視点に立ってみましょうということをよく言ってきました。
自分が買う側になったときのことをついつい忘れてしまうからです。

今回は
モノやサービスである「商品の視点」に立ってみたときに
どんなことが見えてくるかを考えてもらいました。

商品が自信をもって自己紹介できるなら
作り手のみなさんも、自信をもって商品紹介ができるはずです。

商品企画「価格のこと」

福祉事業所(作業所)のものづくり支援のなかで、
いつも質問にあがるのが価格設定です。

「もっと高く売りたい」
「安くないと買ってくれない」

付加価値を高めると、商品は高く売れるのは確かです。
同じ値段でも、付加価値の高い方が売れるのも確かです。

そこで付加価値をつけるために、
どんなことをしたらいいのか、となるのですが

しかし根本的にその前に
しっかりと意識しなければいけないことがあります。

「もっと高く売りたい」
「安くないと買ってくれない」

このふたつの考えが同居していると問題は解決しません。

「もっと高く売りたい」前提で、売り上げをのばす方法と
「安くないと買ってくれない」前提で、売り上げをのばす方法と
別の問題です。対立させているから解決しません。

付加価値のつけ方も、それぞれ違います。

例えば、「もっと高く売りたい」のであれば、
●高く買ってくれる人を対象にする
●高く売れる場所に出店する
●商品の素材の質を高める
●商品の見た目の質を高める


「安くないと買ってくれない」のであれば
●今より手間を省く方法を考える
●一度にたくさん買ってもらえるようにする
●在庫をつくらないようにする
●B品がでないようにする
●受注をうけてから生産する。
●同じ手間で商品の質を高める
●同じ手間で商品の見た目の質を高める

というような工夫・価値のつけ方ができます。
少し考えただけでもこれくらいの方法があります。

商品の価格を上げて売れることと、
安いままで売れることは別のことなので、
まずは、そこをしっかりと把握しましょう。


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●次回は、「付加価値」とはなにかについて。
●考え方のデザイン塾&毎日が気づきに変わるお話
「こんこんキツネ塾」もどうぞよろしく。
http://ameblo.jp/kitsunejuku/

商品企画セミナー「商品のCMを考えよう」

「エル・チャレンジ」さんで実施させていただいた
商品企画の講座の2回目で行ったワークショップをご紹介します。

前回の冒頭で説明させていただいた、ぼくのポリシーは
「すでにもっている魅力に気づくこと」

新しいものや目新しいことを、
やみくもに思いつこうとするのではなく
まず、今ある商品に向き合うこと。
そうすると見えてくることがあります。

どのような経緯で商品が生まれたのか?
商品の名前の由来は何か?
など、普段考えないことの「意味」を考える機会になります。

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では、一回目を踏まえて
またひとつ商品企画に大切なこと
それは「使用シーン」です。
その商品は、
いつ、どこで、だれに、
どんなふうに使われているのか。
それが使用シーン。

それを設定するために、
「商品CM」を想像してみてください。
商品がテレビで紹介されていたら、
それはどんなCMになっているでしょうか?

このときの
コツは「想像」ではなく「妄想」することです。
真面目な思考は固くなってしまいますから
やわらかく、自由に、ストーリーを妄想してください。

さあCMはどんなものでしたか?
どんなものがテレビに映っていましたか?

朝なのか、昼なのか、夜なのか
食卓なのか、公園なのか
学校なのか、職場なのか
出演者の年齢や職業や、家族構成、
そもそも、出演は人でなくても構いません。

細かく思い浮かべていけば
どこまでも細かく考えることができます。

これをできる限り、詳細に設定し、
細かい場面の状況までを想像できるようになれば、
その商品の社会や日常における役割が
はっきりと見えてきます。

そのイメージをもとに、
いまの商品にたりない要素を装飾したり
チラシやディスプレイ装飾を工夫したり、
どのように使うのかを接客販売で説明してみてください。

きっと、商品について
より伝わりやすくなっていると思います。

社会企業論「スタートアップや新規事業のために必要なこと」

社会企業についての講義の中で、こんな話をしました。

「自分がそれをずっとやっていられるかどうか」
これが事業やお商売には大切です。
目的がブレだすと、
やっていることに意味があるんだろうか?と悩んでしまいます。

自分が、自分のためにやり続けていることは、
それを評価し納得するのも自分ですから、とてもたいへんです。
でも、そのかわりに意味なんて考える必要はないんです。
やりたいから、必要だと感じているからやる。

やり続けるうちに、工夫され、洗練され、味がでて、
それが人の関心をひき、必要とされるようになる。
お商売になる。

何かをしたい、と思うきもちは大切な「火種」です。

いま、何をやっても叩くひとが多すぎです。
人のやることなすこと文句を言う人、
上手くいくわけがないと言う人、
何の意味があるのか?と問う人。

そういう人達はみんな、
未来への火種を消して回っているのだと
自覚してほしいと思います。


スタートアップをめざす人たちは、
とにかく脇目も振らず、自分と向き合い続けてください。


その回り道こそが近道になるときが、必ずやって来ます。

「ふれあい商品」商品力向上支援制度取組報告会にて 1

5/21(水)デザイン・クリエイティブセンター神戸 「KIITO」にて「ふれあい商品」商品力向上支援制度取組報告会が行われ、コメンテーターとして参加しました。「ふれあい商品」商品力向上支援制度とは、障がい者の工賃向上のために独自商品や事業の開発に取り組む福祉事業所にたいして、神戸市が支援を行う制度です。平成26年度には6事業所がデザインや食品の専門家と共同での商品のブラッシュアップを行いました。今回はその取組内容を市内の関係者や一般参加者にむけて発表する場となりました。

今回、報告会の場で総括としてコメントさせていただいた内容に、加筆をして共有させていただきます。

事業所さまへのメッセージです。

いかり共同作業所 さま
重度の方の満足度があがったことは支援のうえで、非常に嬉しいできごとだと思います。ワークショップという形をとおして、絵を描けないひとでも関われる方法論や個性を生かすパーツづくりなど、ポーセラーツに関して、ものづくりとしてのプロセス全体が非常に完成度の高いものになっています。これからワークショップの開催による相互理解とものづくりの調和に期待します。

神戸ゆめ工房 さま
ブランドタタグをつけることで利用者の意識が変わり、私語が少なくなり時間内の集中度が増したということでした。ものづくりに取り組む意識の変化や競争意識によって、つくりてにもまだまだ可能性があることが確認でき、頼もしい結果だと感じました。

jobステーションぽてと さま
お弁当の配食と見守りを兼ねた地域での循環をつくりだしている素晴らしい事業だと思います。またその中ですでに需要があるお惣菜の開発にとりくまれたことで、相互的な必要性を生み出せています。地域の中でのペースをまもりながら、長くしっかりとした地域との共生が実現していると感じました。


個性の作業所七つの海 さま
「おとなかわいい」路線として出発した新ブランドは、非常にシンプルで新規顧客ターゲットのイメージが分かりやすかったです。また既存商品からステッチ技術も目に見えてレベルアップしています。事業所内のスタッフ及び利用者さまが既存商品と新商品、どちらにも愛着をもっていただけるようにこれからのブランディング取り組んでください。

萌友 さま
あたらしい染め生地をつかった刺し子かばんについて、クラフトマーケットでの出店の際、お客さんはこれまで「買う人」が積極的に商品を手に取ってみる傾向があったが、買わない人も興味をもって商品を見たり触ったりしていただいているということでした。売ることだけでなく、ファンを増やすことに関しても成長できたのではないかと思います。

わりづ菓 さま
商品を専門家からリファイン・指導していただく中でスタッフが驚きを感じておられたこと(菓子製造に関して、少しの配合の差でも味に大きな差が出てくること、パッケージを変えることで売れ行きがかわることなど)それらを実感できたことがたいへんすばらしい体験だと思います。

高校での企画デザイン講義

「僕の意見を鵜呑みにしないように。
イデアに正しい、間違いなどないから。」
という前置きをしました。

デザインとはいったいなにか?


何を、誰に、どう届けたいか、と思い悩む事。
デザインはまさに、そういった「サプライズ」なのだというのが僕の持論です。
加えて自分が何に興味をもち、
何を提案したいかを分析することは「自分探し」でもあります。

誰かのために「提案」することは
「自分はこんな考え方です」と紹介することでもあります。

自分の売り込みであり、オンリーワンの証明なんです。

良い企画とはなにか。
同じ課題を40人で一斉に考えた時、
そりゃあ企画内容が被ることはよくある。
でも、それはまだ表面的な事に過ぎない。


どんなに届けたいか?

性別、年齢、出身、体格...

どんなことを届けたいか?
健康、安心、驚き、便利...

なぜ、届けたいか?


それらを細かく考えることで、
差が生まれてくる。


考えるプロセスで、
企画は、その人らしく育っていくのです。